先週、イーロン゠マスクが極右の荒らしに言われるまま私達(CrimethInc.)のツイッターを直々に凍結した。マスクはツイッターに「言論の自由」を導入していない。ファシズムに反対する人々の意見を組織的に抑圧し 、最悪のナチス のプラットフォーム復帰を歓迎している。これに対して、私達は皆さんにお願いしたい。皆さんのコミュニティの街頭で、イーロン゠マスクやドナルド゠トランプのような資本主義者に関する新しいポスターを使って声を上げていただきたい。絶対に億万長者どもに統制されないメディアがあるとすれば、それはウィートペースト (訳註:日本語でのウィートペーストの作り方はこちら)だ。
だがまず、何故、世界最大の金持ち野郎がファシストと手を組んだのだろうか?
思い浮かぶ中で最もありそうな理論は、ファシズム全般、中でも反ユダヤ主義が、資本主義支配階級に向けられるはずの怒りを方向転換させる簡便な方法だというものだ。過去30年で、世界最大の金持ち野郎が管理する富の量はほぼ10倍に増加した。億万長者はますます金持ちに、残りの私達はますます貧乏でますます絶望的になっている。「間違った」人々が全権を握っているという陰謀理論がなければ、誰であれこれほど莫大な権力を握るなど不当だという疑う余地のない事実が明らかになってしまう。
マスクは、世界最悪とされる不採算プラットフォームの一つで儲けようと、440億ドルを無駄にしたのではなかった。自分の私的関心に合わせて大衆の会話を形成するためには、ツイッター買収に数百億つぎ込む価値があると判断したのだ。彼の関心がどのようなものなのかは、彼がプラットフォームから排除した意見・彼が復活させた意見から推論できる。彼やドナルド゠トランプのような億万長者は、洗脳済みのファシストと残りの私達を戦わせたいと思っている。その方が、私達を自由にさせておいて、そもそも富と権力の不均衡などを生み出しているシステムに挑戦されるよりも好ましいのである。
この情況に対処すべく、私達は古典的な モチーフを引っ張り出してきた。皆さんには、それぞれのコミュニティの壁にポスターを貼っていただきたい--もちろん、合法的にね。
加えて、壁紙ペーストやスプレー接着剤を買うよりも、昔ながらのDIYスタイルでポスターを貼り付けたいという人には、私達が作った「ウィートペースト゠フィールドガイド」のzineバージョンがある。プリントアウトして、ファシスト賛同の億万長者が運営していないプラットフォームでのコミュニケーションに興味がある人に配って欲しい。
zine の全文をオンラインで読むにはここを参照。
ポスターに示してあるテキストは以下の通り。
お前らなんてどうでもいい
億万長者一人につき、数百万が飢餓にあえぐ。これが億万長者を創り出す。数人の手に富が集中する。一人の億万長者が大統領に立候補するとか、ツイッターを買収するとか耳にしながら、副業先に向かう時にホームレスのテント村を通り過ぎる。勘違いしてはいけない--全ては繋がっているのだ。
億万長者はいろいろ言って、問題が起きるのは君のせいだと信じ込ませる。他者と闘わなければならないと言ってくる。億万長者をもっと儲けさせるために二つのシフトに入るよう言ってくる。だが、どれだけ懸命に働いたところで、億万長者は君たちよりも多くを持ち帰るのだ。これが資本主義の本質なのだ。
奴等は言う。言論の自由を守りたい。「機会」を与えよう。君たちを守るためにここにいる。そして、奴等は私達のコミュニケーション手段を買占め、アルゴリズムを修正し、私達が何を見て何を聴くのか決定する。奴等は自分達を批判する人を攻撃するファシストを後援し、民族的対立・宗教的対立を煽る嘘を広める。金だけを価値あるものにしようとしているため、私達はそれ以外を夢見ることができなくなる。
私達にふさわしい世界は、何を所有しているかではなく、何を共有しているかで人が尊重される世界である。本当の問題は、そもそもこうした不平等を生み出しているシステムにある。搾取と抑圧をする人になろうと競争するのではなく、奴等が使っている手段を廃絶しよう。
暴君も豪商もいない世界のために!
This translation courtesy of Bakuto Morikawa.